業態を構築する上で、出発点から考えてきました。
1、素材から考える。
2、調理方法(メニュー)から考える。
3、地域から考える。
4、物件から考える。
5、食べ方から考える。
次は「物件」から考える です。
もちろん、あくまでも予算の範疇になりますが、ここでは、訪問した不動産屋さんから、
「良い物件がある、出た」と提案を受けた前提で考えます。
“良い物件” 難しい解釈ですね。
・家賃が安い ・流動客数が多い ・角地・初期費用が安い ・流行のエリア ・居抜きである
などなど
物件に多様な「特徴」がある中で、自分にとっての良い条件を考える必要があります
この特徴と、自身のお店造りとの整合性をひもといてみます。
家賃が安い物件の第一は「小さい 狭い」ということです。
オーナーが1人で営業する予定の方は、この条件が必要になることが多いです。
当然、1人なので人件費がかからないのがメリットですが、
席数が少なかったり、オペレーション上の手が回らなかったり、
絶対売上高が高くならないことがデメリットです。
流動客数が多い物件は、一見のお客様の目につくメリットがあります。
軽い業態(カフェ系 麺系 丼系など)は、目につく動機の業態ですから
動線の多いのが最低限必要となります。
ところが逆に「目につくのが苦手」な業態が考えられます。
落ち着いて食事をしてもらいたいというような
お店(高単価のお店や専門業態)などです。
また、重飲食の業態は、地下や空中店舗などにも適していることも考えられます。
角地と書きましたが、駅前から出てすぐのお店など、
「あきらかに視認性の良いお店」と考えましょう。
この視認性のある店舗のメリットは多いです。
看板が大きく出せることが出来、一見客の取り込みに適しています。
このタイプの物件のデメリットは、どのタイプのビジネスにも
対応できるので、総じて価格は高いです。
視認性は何よりの広告宣伝になるので、様々業種でも探している「物件」となります。
坪単価が高いのと、原状回復が一般的(居抜きでなく)になるため、
何かと「お金がかかる物件」です。
初期費用が安い物件。
一般的な初期費用とは、保証金 もしくは敷金、 礼金、仲介手数料。
内装(居抜きの造作譲渡含む)などが 不動産にかかる初期費用です。
物件によって、保証金や敷金、礼金などは変わります。
それが他よりも安い物件があります。これは一概にルールではなく、
家主さんによっても変わってきます。小規模のお店に多いです。
流行のエリア。たくさんのお客様が集まりやすい場所です。
最近でいうと、「裏なんば」などが該当しますね。
流行なので、たくさんヒトが集まる分、たくさん出店もあります。
激戦区なので、平凡な業態では流行りにくいですね。
流行り出してから出店すると、「後発」になりますからトレンドにアンテナをはって
いち早くそこに出店することで先行者利益がでることもあります。
タウン紙などでチェックしましょう。
居抜き物件は、よくテーマに出てきますがこれにはメリット、デメリットもあります。
メリットは何より初期費用の軽減です。
内装工事や厨房器具、備品の出費が安くなるのもありますが
スケルトンからの工事を考えると2〜3ヶ月、オープンまで掛かります。
それが居抜きだと1ヶ月以内にスタートできるのが多いですので
家賃負担も軽くなります。
デメリットは、自分に合っている店舗設計ではない場合が多いので
レイアウトや内装テイストなどが、自分の狙いと違う場合はデメリットとなります。
いろんな基礎知識を知っておく事で、提案された物件の判断がしやすくなります。
逆に、自分のやりたい業態に適した物件を探す際に参考にしていただけると幸いです。